【利用者の文化と情報利用の生産性を考える】

グローバルなシステムを標準化することは、システム開発の視点から見ると重要であり、その後の保守の単純化を考えても大切であることは疑いはない。ただ、この問題はシステム構築や保守、運営側の理論であることを認識しておく必要がある。

情報システムはその利用者のためにあることを忘れて議論されることが多い。システムの利用者は、一般的に構築者とは別であり、その数ははるかに多く、日々利用している。利用効率を上げることは、システム保守の効率を上げること以上に重要と考えるべきではないだろうか。

システムは開発元の文化が基準となって構築されている。現場のニーズを十分に調査されているとはいえ、最終的にはシステムエンジニアの判断によるところが多い。我々のシステム構築の経験でも、出来上がったシステムに対して、使い勝手に対する現場のクレームは少なからずある。クレームとは言わなくても、その後の改善要求は多い。

同じ企業内で開発され運用されているシステムでさえもそのような事情が常にある。このようなシステムをグローバルに展開した場合、その利用者たちの環境は千差万別であることは想像に難くない。地域が異なれば、仕事の仕方が異なる。担当者の責任範囲により使い方が異なる。それぞれの環境に適した利用方法を提供することは効果的であることは用意に想像がつく。しかも基本的処理の思想を変えないで、利用面のみの任意性と選択性を変えることは、利用効率を上げるうえで効果的である。



少し古い話ではあるが、米国大手企業の生産現場でのシステム利用の工夫は本質的であった。特に、生産管理に関する現場での利用効率に配慮していた。その結果、情報の誤り防止にも貢献する。現場では一般作業者が情報入力することが多く利用者の判断業務をできるだけ排除した。

その方法はシステム運用の原点に戻ることであるが、作業者には必要不可欠な情報以外を見せない。作業者はその情報だけで迅速に判断して、必要情報を入力する。誤りの有無を確認して送信する。単純な誤りがあればシステムが判断して警告する。これだけの処理であり、現在ならばバーコードやハンディターミナル上のメニューの表示・選択、自動指示、エラーの論理チェックなどで容易に実行環境が設定可能である。

現場作業者はいろんなレベルの人たちが混在しており、単純な作業が不可欠であり、ネジを締めると同様な動作で、情報を入力できれば嬉しい。作業台にon/off のボタンがあるだけでよい。あるいはもう少し複雑でもよいが、ハンディターミナルの操作も避けたい。

現場レベルに近い管理者の作業も類似な思考で設定する。作業者の状況、生産状況、不具合の警告、部品の流れ、在庫表示などである。グローバルにシステムを標準化しつつ、現場レベルでのこのようなパーソナライズは情報品質の維持にも有効である。



 
  レポート第1弾  「グローバルシステムの開発と運営における諸問題
                         −事例にみる諸問題とその解決のヒント−」



  連載第14回              作業は単純に

            
 システム利用   ・地域によって作業文化は異なる
              ・単純なほど誤りは少ない
              ・目的は正しい作業を容易に行うこと




























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